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間脳下垂体機能障害
最終更新日: 2016-1-28 杉野賢一
1. 「下垂体機能低下症」とはどのような病気ですか
下垂体とは、頭蓋骨の中で脳の下にぶら下がるように存在する小さな内分泌器官で、前葉と後葉の2つの部分からなります。前葉は6種類のホルモン[副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、成長ホルモン(GH)、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、プロラクチン]を、後葉は抗利尿ホルモン(ADH)とオキシトシン(OT)を分泌します。
下垂体機能低下症とは一般に、下垂体前葉ホルモンの一部またはすべてが何らかの原因で十分に分泌できなくなった状態を意味します。後葉ホルモンの障害は中枢性尿崩症として別に扱われます。
下垂体前葉ホルモンは副腎皮質、甲状腺、性腺など数多くの末梢ホルモン分泌を調節しています。このため、下垂体の機能が低下すると、結果的に副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなどの分泌が障害され、ホルモンの種類により多彩な症状が現れます。
2. この病気の原因はわかっているのですか
腫瘍、炎症、頭部外傷が原因として最も多いことが知られています。原因が不明の場合は何らかの免疫異常が関係している可能性もあり、現在研究が進められています。
3. この病気はどういう経過をたどるのですか
原因となっている病気により異なりますが、その病気に対する治療が終了、ないし病状が安定している場合は、欠乏しているホルモンを補充することで、健康な人と同じ生活を送ることができます。しかし一度障害された下垂体の機能が回復する可能性は低いため、長期間ホルモン補充を必要とする場合が多いようです。補充するホルモンの種類や量は患者さんごとに異なりますので、主治医の指導のもとに内服量や方法を調節することが重要です。
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