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大脳皮質基底核変性症として
1. 大脳皮質基底核変性症とは?
パーキンソン症状(筋肉の硬さ、運動ののろさ、歩行障害など)と大脳皮質症状(手が思うように使えない、動作がぎこちないなど)が同時にみられる病気です。身体の左側または右側のどちらか一方に症状が強いのが特徴ですが、典型的な症状に乏しく、診断の難しい場合が少なくありません。40歳以降に発病し進行します。
2. この病気の原因はわかっているのですか
患者さんの脳では前頭葉と頭頂葉に強い萎縮が認められます。顕微鏡的には神経細胞の細胞が脱落し、神経細胞やグリア細胞の中に正常ではみられない異常構造が現れます。なぜこのような変化が起こるかはわかっていません。
3. この病気ではどのような症状がおきますか
典型的には最初に片方の腕が思うように使えない(失行)や運動ののろさを自覚することが多いようです。続いて同じ側の脚も重くなり歩行が不自由になります。やがて反対側の腕と脚にも運動障害が起こり、転びやすいなどの症状が現れます。ときには言葉が出にくくなったり(失語症)、片方の空間を見落としてしまう(半側空間無視)、認知症がみられます。腕を持ち上げたり動かすときに素早いぴくつき(ミオクローヌス)や手足に持続的に力が入ってしまう(ジストニア)が現れる人もいます。これらの症状には初期から左右どちらかに症状が強いがみられることが特徴ですが、左右差がない場合も少なくありません。CTやMRIで大脳の萎縮にも左右差があることが特徴とされています。
4. この病気はどういう経過をたどるのですか
現在の医学では進行を止める治療法はなく、ゆるやかに進行します。進行の度合は患者さんによって異なりますが、発病後寝たきりになるまでの期間は5~10年が多いようです。
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