障害年金を精神疾患でもらうためには? ~2級・3級の金額について重点解説!~
最終更新日: 2025-11-05 杉野賢一
障害年金とは
障害年金とは、働けない場合や労働に支障をきたす場合、また通常の生活を送ることが困難である場合に支給されるものです。
この年金制度は権利ですから、もらえる障害、症状がある場合は、必ず申請するようにしましょう。
(原則、障害年金の申請ができるのは20歳~64歳までの方に限られます。)
障害年金の対象傷病(精神疾患)
障害年金は、以下の精神疾患を含む多くの精神的な障害が対象となります。
- 統合失調症や統合失調症型障害
- 気分(感情)障害(うつ病や双極性障害など)
- 発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害など)
- てんかん
- 知的障害
- 症状性を含む器質性精神障害(高次脳機能障害など)
障害年金は心臓や肝臓、腎臓などの内臓的な疾患や、失明、手足の切断といった体に関係する病気やケガのみに支給されるようなイメージがあるかもしれませんが、精神疾患についても様々な病気で障害年金を受給することができます。
このような障害を持ち、以下の基準に当てはまる方は障害年金の申請をお勧めします。
精神疾患における障害等級の基準の目安
障害年金の受給には、症状の重さに応じて等級が決定されます。
精神疾患の場合の等級基準の目安は以下の通りです。
1級
- 高度の人格変化、妄想、幻覚などにより、常時の援助が必要。
- 日常生活を自力で営むことができない状態。
2級
- 日常生活が著しい制限を受ける状態。
- 一人で外出が困難、社会的な活動が大幅に制限されている。
3級(厚生年金のみ対象)
- 労働が著しい制限を受ける状態。
- 一部の職務が可能であっても、業務内容に大きな配慮が必要。
実際には各傷病の「認定基準」と「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に照らして、
日本年金機構が判断するため、必ずしもこの目安の通り認定されるわけではありません。
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障害年金で受給できる金額
障害年金には、障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)の2つがあり、
それぞれの受給金額については、よく「2階建て」という表現がされます。
国民年金が1階部分、厚生年金が2階部分に該当し、
国民年金に加入している方は、1級であれば、【約102万円+子の加算】が、2級であれば【約81万円+子の加算】が支給されます。
厚生年金に加入している方は、国民年金の支給に加えて、1級であれば【報酬比例の年金額】(納付した保険料に応じた年金額)の1.25倍が、2級であれば、【報酬比例の年金額】がさらに支給されます。
また、厚生年金に加入している方は、障害等級1級や2級に該当しなくとも、3級に該当していれば、【報酬比例の年金額】(最低保障額 612,000円)が支給されます。
※国民年金に加入している方は障害年金3級の支給はありません。
※上記の金額は1年間に支給される金額となります。
障害年金2級の場合の金額(令和6年4月現在)
国民年金
81万6000円
(+子の加算・23万4800円)
厚生年金
81万6000円
+【報酬比例の年金額】(最低保障額 612,000円)
(+配偶者の加給年金・23万4800円)
(+子の加算・23万4800円)
障害年金3級の場合の金額
厚生年金
【報酬比例の年金額】(最低保障額 612,000円)
厚生年金からの申請の場合、年金加入期間やその期間の標準報酬月額等
が、年金額の基礎となりますので各人の状況によります。
精神疾患で障害年金を受給するための条件
精神疾患で障害年金を申請するには、障害等級に該当している他、以下の条件を満たしている必要があります
初診日の特定
- 精神疾患で最初に診療を受けた医療機関の記録が必要です。
- 診断書や受診状況等証明書が利用されます。
障害認定日における状態
- 初診日から1年6か月後、または症状固定時点で等級に該当していること。
保険料の納付
- 初診日の時点で納付要件を満たしていること(3分の2以上の納付期間、または直近1年間の未納なし)。
精神疾患に特有の注意点
- 日常生活の記録:
- 精神疾患では、病状が日常生活に与える影響が重要視されます。
- 具体的な例として、「自力で買い物ができない」「仕事を続けられない」などの状況を詳細に記録してください。
- 診断書の内容:
- 診断書には「何ができないか」を具体的に記載してもらう必要があります。
- 医師と相談し、日常生活での困難を正確に伝えましょう。
- 現状の病状:
- 精神疾患は症状の波があるため、病状の推移を踏まえた審査が行われます。
- 病状が一時的に改善しても、継続して申請が可能です。
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この記事の執筆者
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